2015年3月4日水曜日

ブライアン・ゴールドマン: 医師も失敗する。そのことを語ってもよいだろうか?

https://www.ted.com/talks/brian_goldman_doctors_make_mistakes_can_we_talk_about_that#t-587223

 「失敗は歓迎すべきものである」という考え方が広がっているようです。失敗した人間を表彰する企業も現れ、そのような類の本も売れるようになっています。成功者のインタビューでは、どのような方法で成功したのかと一緒に、どのような苦労をしたのかということが語られます。
 しかし、世の中には失敗を許されない人々もいます。

 人の命を預かる人間が「失敗は歓迎すべきものである」と手を上げて自信満々に発言した時、人々は何を思うのでしょうか。

 失敗をどのように活かすかという事が耳目を集めている一方で、
 失敗をどのように発表するかということが語られていません。

 世の中に発表されることなく隠されてきた失敗が、どれほどあったのでしょうか。
 
ベネディクトは「菊と刀」の中で、西洋を「罪の文化」、日本を「恥の文化」と見ています。これは一部、事実をついていると思います。

 困難を克服した人間は賞賛されます。自分自身で失敗し、それを克服したのですから。
 しかし、誰かが犯した失敗を他の人間が克服した場合は、何故賞賛されないのでしょう。得たものは前者と、なんら変わりないはずです。
 組織が、社会が、前に進んでいくためには、他人の失敗をも克服することが必要になります。
 しかし「私は失敗しました」と言うことを受けとめる力が、日本にあるかというと、難しいと思ってしまいます。

この動画のスピーカーは、世界で最も失敗を許されない職種の人間です。
たった一人の人間になって、自分の失敗を語る素晴らしいプレゼンです。

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